このページでは次の情報をお伝えしています。
- 十五夜のお供え物の種類と意味について
- 十五夜のお供え物の正しい置き場所について
- いつまでお供え物を飾るのか、食べることの意味について
- 女性は月見団子を食べてはいけないと言われる理由について
- 片見月は縁起が悪いについての正しい説明
目次
十五夜のお供え物の意味
まず十五夜にお供えする物はこちらです。
- 月見団子
- すすき
- 里芋やさつまいもなどの芋類
- 月見の時期に採れた野菜や果物
月見団子
十五夜のお供え物といえば月見団子です。月見団子は見ての通り丸いので月を表していると言われています。
江戸時代から団子をお供えするようになり、十五夜にはその年の穀物の収穫に感謝し、そしてこれからの収穫を祈り米粉で作った団子を備えたのが始まりです。
満月を模した丸い月見団子は収穫の感謝や祈りだけではなく、健康や幸福も表しているとも言われています。
また、団子をお供えするときに山の形に積むのは(積み方については後述します)、団子の頂上が霊界に通じると信じられてきたからです。
すすき
月見団子と並んで定番のお供え物のすすき。これは稲穂の代わりに飾っていると言われています。
当時お米は人々の生活に欠かせないもので、決して欠けることのない満月を豊作の象徴としていていました。しかし十五夜の時期は稲穂が実る前でお供えできないので、稲穂に見立ててすすきをお供えしました。
さらに、すすきは古くから神様の宿り場と信じられています。
また、すすきの切り口は鋭く、魔除けとしても考えられていて、そのため悪霊や災いから収穫物を守り翌年の豊作を願う意味が込められています。
里芋やさつまいもなどの芋類やお月見の時期に採れた野菜や果物
十五夜は別の名で「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれていて、里芋やさつまいもなどの芋類をお供えする地域もあります。
稲作でお米が出来るようになる前は芋類が主食だったため、十五夜には月見団子と同じような意味合いで里芋などの芋類をお供えしていました。
さらに、その時期に取れた野菜や果物も同じように感謝や祈りを込めてお供えされています。
ぶどうなどのようなツルがある物をお供えすると月とのつながりが強くなるとも言われていました。
十五夜のお供え物の置き場所について

次にお供えの方法について説明します。
- お供え場所について
- 正しいお供えの方法
- 月見団子の形は地方によって違う
- いつまでお供えするのか
お供え場所について
お供え物を飾る場所の唯一の場所は「月が見える場所」です。月が見える窓際に飾ります。
昔からお供え物は月見台を設置してお月見をしていたので、それにならってお月見を楽しみましょう。
ちなみに、天気が悪くて月が出ていなくても、雲で隠れているだけなので十分に月のパワーは届いているとのことです。
正しいお供えの方法
それぞれのお供え物の飾り方を説明します。
月見団子
月見団子は山の形に積んでお供えするのが正しい置き方です。十五夜にちなんで15個の月見団子を積み上げます。
キレイに積み上げるには1段目に3×3の9個、2段目に2×2の4個、3段目に2個並べて置きましょう。3段目の2個並びの団子は正面から見て一つに見えるように飾ると良いです。
月見団子を飾る器については、正式には「三方(さんぽう)」という台に白い紙を敷いてお供えします。
とはいえ三方がある家庭は少ないので、お盆やお皿に半紙などの白い紙を敷いて代用しましょう。
すすきや果物など
すすきや果物は月見団子と一緒に並べてお供えします。
その時にお月さまから見て左側にすすきや果物、その右側に月見団子を並べます。すすきは花瓶に入れて飾ると良いです。
本数については特に決まりはありませんが5本ほど飾るとバランスが良くなります。
月見団子の形は地方によって違う
月見団子は地方によって形が違います。
丸い月見団子は関東地方で多く見られ、関西地方では丸ではなく細長い形をしています。
その他にもあんこが巻いてあったり、串団子やまんじゅう、しずくの形をしたものまであります。
なので、三法に山の形に積むような正式な飾り方にこだわらなくても、きれいに整えてお供えするのが良いと思います。
いつまでお供えするのか
十五夜のお供え物は満月が出る前から飾り、お月見が終わるまで飾っておきましょう。
その日の夜までに飾ることが出来ない場合はその前の日から飾って準備をしておくと良いです。
お供えが終わったら
お供えが終わった後の処理の仕方を説明します。
- お供えが終わったらありがたく食べる
- すすきは飾る
- 女性はお供え物を食べてはいけない?
お供えが終わったらありがたく食べる
お供えした後の月見団子や里芋などの芋類、果物は感謝して食べましょう。
「お供え物を食べるのは失礼なのでは?」とためらう人もいますが、月や神様の恩恵により、健康になり、幸せを得られると考えられています。
そして神様との結びつきが深まるとも言われています。
すすきは飾る
お供えしたすすきは花瓶に入れたまま飾るか、他の植物と一緒に生けても良いです。
すすきは魔除けにもなるので軒先に吊るすのも良いでしょう。十五夜でお供えしたすすきを軒先に吊るすと1年間は病気をしないで健康でいられると言われています。
女性はお供え物を食べてはいけない?
十五夜のお供え物を女性は食べてはいけないと言われていますが、正確には全ての女性ではなく、「嫁入り前の女性」です。
今では「授かり婚」という言葉がありますが、昔は結婚前の妊娠など言語道断でした。満月と丸い団子が妊娠を連想させるので、月見団子を食べると妊娠すると言われていたそうです。
ただし、これは昔の言い伝えなので気にする必要はないと思いますが、気になる場合は月見団子は食べるのを避けてその他にお供えしたものを食べると良いです。
片見月について

お月見で「片見月」というものがあります。
これは「十五夜」の他に「十三夜」というお月見があり、どちらか片方しかお祝いをしないと「片見月」となり縁起が悪いと言われているものです。
そう言われるようになったのは諸説ありますが、最も有力なのは江戸の遊郭の客寄せです。
吉原が「十五夜だけじゃなくて、十三夜も遊びに来ないと縁起が悪い」と言い出しました。
十五夜に遊びに来た客を十三夜にも呼び込むための客寄せが、「片見月は縁起が悪い」と言い伝わったという事です。
ですのでそこまで気にせずにお月見を楽しんでいただければと思います。
まとめ
最後に十五夜のお供え物の意味と置き場所などについてまとめます。
それぞれのお供え物は月に収穫を感謝や翌年の豊作を祈る意味がある
すすきには神様の宿り場や魔除けの意味もある
お供え場所は月が見える場所で月から見て左側にすすきや果物、右側に月見団子を並べる
月見団子は地方によって形が違うのできれいに並べれば特にこだわらなくても良い
お月見が終わったら感謝をこめて食べる
すすきはそのまま飾るか、軒先に吊るす
月見団子を女性は食べてはいけないというのは言い伝えなので気にしない
「片見月は縁起が悪い」も迷信なので気にしない