このページでは次の情報をお伝えしています。
- 紅葉で色が変わる理由について
- 紅葉で色が変わる仕組みを解説
目次
紅葉で色が変わる理由
紅葉で色が変わる理由はシンプルです。
色が変わる仕組みは次の章で紹介しますので、まずはその前提条件の色が変わる理由から説明します。
- なぜ葉が緑色に見えるのか
- 紅葉が始まる条件
なぜ葉は緑色なのか
葉には光合成に必要不可欠なクロロフィル(葉緑素)とカロテノイドという成分があります。
クロロフィルは緑色の色素、カロテノイドは黄色の色素です。
後述する紅葉の仕組みにも関わってくるのですが、この色素のバランスで葉の色の見え方が変わってきます。
成長中の葉は、黄色のカロテノイドより緑色のクロロフィルが多いので緑色に見えるのです。
紅葉が始まる条件と理由
葉は日が短くなり気温が低くなると色づき始めます。
日が短くなると光合成も弱くなっていき葉への栄養補給が止まります。
秋冬は葉からの栄養補給が無くなるので木は葉が要らなくなり落葉の準備を始めるのです。
その落葉前の準備過程で緑色の色素のクロロフィルが分解さて徐々に葉の色が変わっていきます。
なぜ分解されるかというと、まだ使える葉にある成分を再利用するために木の中に貯めておく為です。
紅葉する樹木の種類と色が変わるのはなんの木かを紹介しますでも紹介していますが、秋に紅葉するのは落葉樹と呼ばれる木です。
葉の色が変わる理由は木が不要な葉を落とすための準備です。
紅葉で色が変わる仕組みを解説
それでは紅葉で色が変わる仕組みを説明します。
まず前提として紅葉には種類があることを知る必要があります。
紅葉には
- 葉が赤色になる紅葉(こうよう)
- 葉が黄色になる黄葉(こうよう、おうよう)
- 葉が茶褐色になる褐葉(かつよう)
の3種類があります。
この3種類の仕組みをそれぞれ説明します。
紅葉で葉が赤くなる仕組み
まずは、葉が赤くなる仕組みです。
紅葉に関わってくる色素はこちら。
- クロロフィル(緑)
- カロテノイド(黄)
- アントシアン(赤)
葉が緑色の時にはクロロフィル(緑)とカロテノイド(黄)があります。
そしてクロロフィル(緑)が分解されて、次第にカロテノイド(黄)も壊されていきます。
その時に葉にはアミノ酸や糖が作られます。
それらが酵素によってアントシアン(赤)に変わります。
色の変わり方は、
(緑)→(黄)と(赤)が混ざっている→(赤)
これが赤く紅葉する仕組みです。
黄葉で葉が黄色くなる仕組み
次に葉が黄色くなる仕組みです。
黄葉に関わってくる色素はこちら
- クロロフィル(緑)
- カロテノイド(黄)
葉が緑色の時にはクロロフィル(緑)とカロテノイド(黄)があります。
そしてクロロフィル(緑)が分解されていきます。
次第にカロテノイド(黄)も壊されていきますが、クロロフィル(緑)のほうが早く分解されるため、カロテノイド(黄)が残ります。
色の変わり方は、
(緑)→(黄)
これが黄色に黄葉する仕組みです。
褐葉で葉が茶褐色になる仕組み
最後に葉が茶褐色になる仕組みです。
褐葉に関わってくる色素はこちら。
- クロロフィル(緑)
- カロテノイド(黄)
- フロバフェン(茶)
葉が緑色の時にはクロロフィル(緑)とカロテノイド(黄)があります。
そしてクロロフィル(緑)が分解されて、次第にカロテノイド(黄)も壊されていきます。
その時に葉にはアミノ酸や糖が作られます。
アミノ酸や糖からフロバフェン(茶)が作られます。
色の変わり方は、
(緑)→(黄)と(茶)が混ざっている→(茶)
これが茶褐色に褐葉する仕組みです。
色素のバランスで色が変わる
紅葉、黄葉、褐葉の色の変化を説明しましたが、木の種類によって色が変わりますし、さらに環境によっても色合いが変わります。
例えば、
褐葉はアミノ酸や糖がフロバフェン(茶)を作りますが、
紅葉はアミノ酸や糖がアントシアン(赤)に変わります。
アントシアン(赤)に変わる前にフロバフェン(茶)が作られてしまったら赤い紅葉ではなく茶色味のある赤に色づくこともあるということです。
このように、その時に葉が持っている色素のバランスで色は変わります。
まとめ
それでは紅葉で色が変わる理由と仕組みについてのまとめです。
葉には緑の色素クロロフィルと黄の色素カロテノイドがあり、クロロフィルが目立つので葉は緑色に見える。
紅葉で葉の色が変わるのは、落葉の準備の過程で葉の成分を分解して木に蓄えておくため。
紅葉は葉の色素のバランスで色が変わる。
紅葉はクロロフィル(緑)、カロテノイド(黄)、アントシアン(赤)の順で色が変わる
黄葉はクロロフィル(緑)、カロテノイド(黄)の順で色が変わる
褐葉はクロロフィル(緑)、カロテノイド(黄)、フロバフェン(茶)の順で色が変わる